現役SEとして働きながら、週末は子ども向けプログラミング教室で講師をしています。
教室に来る保護者から、毎週のように聞く言葉があります。「家で教えようとしたけど、全然うまくいかなくて…」と。
子どもにプログラミングを教えようとしたら、思った以上に難しくて挫折してしまった。
YouTubeで教材動画を見せてみたけど、すぐ飽きてしまう。自分で教えようとしたら、子どもがぐずってしまって喧嘩になった…そんな経験はありませんか。
結論から言うと、親が子どもにプログラミングを教えるのは、ほとんどの家庭で「無理」です。
ただし、これは保護者のみなさんの能力や愛情の問題ではありません。構造的に「無理になりやすい」理由があるんです。
この記事では、親が教えるのが無理な5つの理由と、代わりに使える現実的な3つの代替策を本音でお伝えします。

お父さんが教えてくれるって言ったのに、すぐ怒るからやだ…
結論:子供にプログラミングを親が教えるのはほぼ無理。それには明確な理由がある
「プログラミングくらい、自分で教えられるんじゃないか」と思っている保護者は多いんです。
特に、ITエンジニアや理系の保護者ほどそう感じやすい。
でも正直に言うと、プログラミングができる親ほど、教えるのに早く挫折する傾向があります。
教室に来る保護者と話していると、よくこんな場面に出くわします。「自分でScratch(ブロックを組み合わせてゲームが作れる無料ツール)を触れるし、大丈夫だと思って教え始めたんですが…子どもが全然言うことを聞かなくて」と。



正直に言うと、教室に来る保護者の8割が「家で教えようとして無理だった」と話してくれます。これは才能や愛情の問題じゃないんです。
親が教えるのが難しい理由は、大きく3点に集約されます。
- 親子関係が学習の邪魔をする(甘えが出る・喧嘩になる)
- 継続的な時間確保が現実的に難しい
- 「作れる」と「教えられる」は全く別のスキル
次のセクションで5つの理由を詳しく解説します。
ただし「絶対に無理」ではありません。「ほとんどの家庭では現実的に難しい」という話です。後半では、家庭でできる現実的な代替策も紹介するので、最後まで読んでみてください。
子供にプログラミングを親が教えるのが無理な5つの理由


教室で何年も子どもたちを見てきて、親が教えるのが難しい理由がはっきり見えてきました。
どれも「親の愛情不足」とか「能力の問題」ではありません。構造的に起きやすいことなんです。
理由①:親子だと子どもが「真面目モード」に切り替わらない
教室で集中して取り組んでいる子が、家では全然やらない——という話は本当によく聞きます。
これは子どもが怠けているわけじゃなくて、親子関係の「心理的な距離の近さ」が原因なんです。
先生や講師に対しては自然と「きちんとしなきゃ」という緊張感が生まれます。でも親に対しては、甘えが出る。それが子どもの本能的な反応なんです。
ピアノもスイミングも、習い事のほとんどが「外でプロに習う」形になっているのは、この理由が大きいんです。



先生の前ではやるけど、お父さんに教わるのはやだ〜!



そう!これは甘えられる相手だからこそ起きることで、親子関係が良い証拠でもあります。ただ「教える」には向かない関係性なんです。
理由②:親がつまずく場所と子どもがつまずく場所が違う
「自分はプログラミングができるから教えられる」と思いがちですが、これが大きな落とし穴なんです。
大人にとって当たり前の概念が、子どもにはまったく伝わらない。
たとえば「変数(数字や文字を入れておく箱のようなもの)」という概念。大人なら一瞬で理解できますが、小学生に「なんで箱に数字を入れるの?」と聞かれると、とたんに説明に詰まります。



現役SEとして働いていても、子どもに「変数って箱みたいなもの」を伝えるのは最初すごく苦労しました。技術力と教える力は、本当に別物なんです。
教室の講師は「この年齢の子どもがつまずくポイント」を共有して、説明の引き出しをたくさん持っています。
それが「教え慣れた人」との差です。プログラミングが得意な保護者でも、この差は埋めるのがとても難しいんです。
理由③:親が忙しすぎて継続的な時間を確保できない
プログラミングに限らず、どんなスキルも「継続」が命です。
「気が向いたときだけ」「週末に時間があれば」では、絶対に身につきません。これは断言できます。
教室に通うと「毎週〇曜日の〇時」という強制力が生まれます。でも家庭学習だと、仕事が忙しい週はサボってしまう。子どもも「なんか今日はやりたくない」でそのまま終わる。
結果として、半年経っても全然進んでいない——という状況が非常によくあります。
月2〜3回しか取り組めていない場合、実質的にほぼゼロと同じです。週1回・毎週同じ時間に、が最低ラインです。
理由④:子どもの「なんで?」に答えられず、信頼を失う
子どもは「なんで?」が大好きです。
「なんでここにこのブロックを置くの?」「なんでこうすると動くの?」——こんな質問が連発します。
1回でも「わからない」と言ってしまうと、子どもは親を「先生」として見なくなります。これは子どもの残酷なところで、感情ではなく純粋な評価として起きることなんです。
エンジニアの保護者でも、子ども向け教材(Scratch等)の細かい仕様や、子ども向けの説明方法を全部把握しているわけではありません。



教室の講師は「子どもがよく聞く質問TOP20」みたいなものを共有しています。ちょっとずるいですよね(笑)。でもそれが専門性です。
理由⑤:感情的になりやすく、プログラミング嫌いになるリスクがある
これが一番、講師として心配していることです。
子どもが同じミスを繰り返したとき、他人の先生なら冷静に対処できます。でも親だと、つい「さっき言ったでしょ!」と感情的になってしまいます。
一度「プログラミング=親に怒られるもの」というイメージがついてしまうと、立て直しが本当に難しくなります。



実は、親御さんが教えていてプログラミング嫌いになった子を立て直すのが、講師として一番難しい仕事です。嫌いになった経験は、好きにさせる経験の何倍もの時間がかかります。
子どもにプログラミングを好きになってほしいなら、最初から「褒めるプロ」に任せるのが最善策なんです。
以下の表で、親が教えるケースと教室で教わるケースを比較してみます。
| 比較項目 | 親が教える | 教室で教わる |
|---|---|---|
| 時間の確保 | 不安定・サボりがち | 強制力あり・毎週固定 |
| 心理的距離 | 近すぎて甘えが出る | 適度な緊張感がある |
| 体系性 | バラバラになりがち | カリキュラムが整備済み |
| 継続性 | 親の都合次第 | 仕組みとして継続できる |
| 感情管理 | 喧嘩になるリスクあり | プロが冷静に対応 |
それでも親が教えたい人へ|現役SEが正直に伝える「家庭学習の限界点」
「いや、それでも自分で教えたい」という保護者もいると思います。
そういう方に向けて、正直に「ここまではアリ、ここからは無理」という線引きをお伝えします。
親が教えてもいいケースはこんな場面です。
- 年長〜小1くらいで、プログラミングに触れる「きっかけ作り」をしたい
- 無料サイトを一緒に見て「面白そう」と感じさせる程度のサポート
- 子どもが教室で習ってきたことを「見せてもらう」役割
つまり、親が手伝えるのはせいぜい「教材を一緒に眺める」レベルなんです。
一方、親が教えてはいけないケースはこちらです。
- 本格的に習得させたい・検定や受験対策もしたい段階
- 週1回・継続的に教えようとしている
- 子どもがすでに「やりたくない」と言っている状態でやらせようとしている
ちなみに「ChatGPTやAIに教えさせればいいのでは?」という声も最近よく聞きます。



ChatGPTがあれば、お父さんいらないんじゃない?
AIを使って子どもが自分でプログラミングを学ぶ、というのは理想的に聞こえます。
ただ、現実には大きな壁があります。



AIは確かに便利なんですが、9歳の子が「自分のつまずきを言語化してAIに質問する」というのは、かなりハードルが高いんです。大人でも難しいですよね。
AIは「聞き方がわかっている人」には最強のツールです。でも「何がわからないかわからない」子どもには、まだ使いこなせないケースがほとんどなんです。
家庭学習の限界について、さらに詳しくは「プログラミング教室が続かない理由」の記事も参考にしてみてください。
親が教えるのが無理なら?現実的な3つの代替策


「じゃあどうすればいいの?」というのが、当然の疑問だと思います。
現実的に使える代替策を3つ紹介します。それぞれ「向いている家庭」が違うので、子どもの年齢や状況に合わせて選んでみてください。
代替策①:無料サイト・無料教材で自走させる(年長〜小2向け)
まずプログラミングに触れてみたい、という段階ならこれが一番気軽です。
- Scratch(スクラッチ):
ブロックを組み合わせてゲームやアニメが作れる無料ツール。小学生に最も広く使われています。 - Hour of Code(アワーオブコード):
世界中の学校で使われている1時間で体験できる無料プログラム。 - Viscuit(ビスケット):
絵を描いてプログラムを作る感覚で学べる、幼児〜低学年向けのツール。
親は「一緒に画面を見るだけ」のスタンスがちょうどよい年齢です。教えようとせず、「へぇ、こんなことできるんだね」と一緒に驚く係に徹するのがポイントなんです。
ただし、継続力はつきにくいです。体系的でもないので、「なんとなく触った」で終わるケースが多いのが正直なところです。
代替策②:通信教材・タブレット教材を使う(小2〜小4向け)
ある程度自分で取り組める年齢になったら、通信教材という選択肢があります。
進研ゼミのプログラミング講座:既存の受講者なら追加費用なしで利用できるコースもあります。
ワンダーボックス:思考力とプログラミングを組み合わせたタブレット教材。月3,700円〜で始められます。
月3,000〜5,000円台で抑えられるのが魅力です。親が直接教えなくてよい分、喧嘩にもなりません。
ただし「質問できる相手がいない」のが最大の限界です。詰まったときに誰にも聞けない状態が続くと、そのまま続かなくなるケースが多いんです。
代替策③:プログラミング教室の無料体験から始める(全家庭向け)
「費用はかけたくない」と思う気持ちはよくわかります。
ただ、一度考えてほしいのが「親が教えるコスト」です。週1時間、親が教えるとして、その時間の価値を時給換算してみると、意外と教室の月謝と変わらないケースも多いんです。
そして最大のメリットは、無料体験でまず「この子に向いているか」が確認できることです。
体験1回で「この教室なら通えそう」「うちの子には合わなかった」がわかります。申し込みも5分程度でできるものがほとんどです。
| 代替策 | コスト | 継続率 | 親の負担 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 無料サイト | 0円 | 低め | 中(一緒に見る必要あり) | △きっかけ作りまで |
| 通信教材 | 月3〜5千円 | 中 | 中(進捗管理が必要) | ○基礎は身につく |
| 教室の無料体験 | 体験は0円 | 高め | 低(送迎のみ) | ◎本格的に身につく |
それでも迷う方へ|講師が選ぶ「最初の一歩」におすすめのスクール
「教室に通わせてみたいけど、どこがいいかわからない」という方に向けて、講師目線で2つのスクールを紹介します。
選ぶ基準は「無料体験があること」と「初めての子どもでも安心して入れること」です。
デジタネ|Minecraft好きの子に特におすすめ
デジタネはオンラインで受講できるプログラミングスクールです。
特徴はMinecraft(マインクラフト)やRobloxなど、子どもが大好きなゲームを使いながら学べること。「ゲームが好きすぎて困っている」という子が、逆にプログラミングにはまるケースが多いスクールです。
オンライン完結なので、送迎不要。北海道や地方在住の家庭でも利用しやすいです。
無料体験あり。まずどんな雰囲気か試してみることができます。
LITALICOワンダー|一人ひとりに合わせた指導を重視したい家庭に
LITALICOワンダーは、個別性を重視した指導が特徴のスクールです。
子どものペースに合わせたカリキュラムで進めるため、「うちの子、集団授業についていけるか不安」という保護者にも選ばれています。発達特性のある子どもへの配慮も充実しています。
無料体験授業があり、子どもの様子を見てから入会を判断できます。
プログラミングだけでなく、ものづくり全般を通じた思考力育成を重視しています。



家でお父さんに教わるより、いろんな子と一緒にやるほうが楽しい!
よくある質問
まとめ:親が教えるのが無理だと気づけた時点で、もう次の一歩が見えている
この記事でお伝えしたことを3点にまとめます。
- 親が子どもにプログラミングを教えるのが難しいのは、才能や愛情の問題ではなく構造的な理由がある(親子関係・継続性・感情管理など5つの壁)
- 「きっかけ作り」は親でもできる。ただし本格的な習得を目指すなら、家庭学習には限界がある
- 代替策は3つ(無料サイト・通信教材・教室体験)。まずリスクゼロの無料体験から試すのが現実的
「親が教えるのは無理だった」と気づけた今が、実は一番のタイミングです。
無料体験は申し込み5分・費用ゼロで試せます。子どもの反応を見てから判断できるので、まずは気軽に予約してみてください。







